アンデシュ・ハンセンのスマホ脳がベストセラーになったのは記憶に新しい.その中でスマホは脳の報酬系を依存させて集中力を低下させるというような内容がある
TEDでスマホを会場に持ち込んだグループと持ち込まなかったグループで内容の理解度が全然違ったとか......
まあ自分もスマホの通知が鳴ったら気になって集中力がそがれるし,YouTubeのしょーもない動画をのべつ幕無しに見てる.大して面白くもないくせに......,(天才エンジニア達が報酬系を刺激して依存させようと設計してるから我々凡夫がそうなるのは当然なんだけどね)
だからこそ意思によってそれらを断ち切ることが必要ってわけ.
ということで自分は自分の時間を取り戻すべく,ドーパミンデトックスってやつを一週間試してみた.

ドーパミンデトックスとは
ドーパミンデトックスってのは簡単に言うと,快楽や報酬を司るドーパミンを短絡的に出すようなものを制限し,より長期的な目標や行動に向かうモチベーションを高める方法.
具体的な方法は
step
1短絡的なドーパミン刺激のリストアップ
まずは短絡的なドーパミン刺激をピックアップしてみる.大抵は無意識にやってしまっていることとか,ついつい時間が過ぎてしまう事などがそれにあたる.
例えば
- SNS
- Youtubeなどの動画サイト
- インターネットポルノ
- 暴飲暴食
step
2重要な活動や目標を選ぶ
自分の中での目標を明確にして集中したいことを書き出す.
例えば
- 資格取得
- 仕事
- 趣味
step
3短絡的なドーパミン刺激を制限する
すべて制限することはできないから,自分は特に多いいくつかをピックアップして制限してみた
自分の場合
- SNS
- Youtubeなどの動画サイト
- インターネット掲示板
- サブスクで聞く音楽
これらを一週間完全にシャットアウトした.
step
4重要な活動や目標に集中して取り組む
そして,自分の目標や活動にも専念した.
例えば
- 資格取得
- 体を鍛えること
- 創作的な活動
結果的には集中しなくとも今まで無為に過ごしていた時間が無くなって自然と時間が取れるようになった.
日ごとの自分の感情の変化
じゃあ実際お前はやってみてどうやってん?って話だと思うので,日ごとの所感について書いていく.
1日目
身に起きたこと
- ブログを書き始める
- とにかくXが見たくなる
- Xの位置のアプリを繰り返し開く
- 音楽が滅茶苦茶聴きたくなる
- やることがなさすぎてとにかく退屈
- 友人にラインをとりあえず送る
一日目の総括としては,始めてしんどいけど非常に良かったと思ってる.何より久々にクリエイティブな活動の動機付けになったってだけで価値がある.無駄にLINEを送られた友人はスマン
ただ,元々Xの位置にあったOutlookのアプリを開いたり閉じたりして同じメールを百回くらい閲覧したのは焦った.無意識って怖いわ.
2日目,3日目
身に起きたこと
- 音楽やYouTubeの衝動を我慢できる.
- 購買衝動が急激に増える.
なんていうか,スマホで短絡的にドーパミンを出せなくなった分,あの手この手でドーパミンを出そうとしてる感が凄い.結局プロテインを買ってしまった......
そして今めっちゃGPU買いたい.
余談だが,この日に指導教員に提出していた講演論文の添削が返却された.ボロクソに書かれてはいるものの,論理矛盾しているところなどをしっかり訂正してくれて,論文の構成まで変更してくれていた.
論理性も文才も研究力も英語力もない糞院生で申し訳ないと思った.と同時に,やっぱり自分には研究という行為が向いていないということを再認識した.
4日目
正直生産性が爆上がりした.
いや,まあ生産してるわけではないけど,タスクの消化効率が明らかに上がった.
身に起きたこと
- 情報セキュリティマネジメント試験の情報の確認
- TOEICの申し込み
- 内定先への事務連絡
- 講演論文の修正
- 大学祭に関する諸連絡
- ブログの執筆
いつもやったらまあ明日にしたら良いかって感じのことを当日に消化できたのはでかい.明らかに事務作業に対する体力が向上している気がするし,特にSNSみたいなーとかいう気持ちも全然なかった
理由はわからんけど,ここにきてポジティブな感じ
ちなみにこの日からスマホをグレースケールに変えた.効果があるかはわからないけど,少し使用時間が減った気がする.
5日目
ドーパミンデトックスも佳境に入ってきた.正直この日は論文の締め切り直前で前日3時まで論文を書いていたからクタクタ
身に起きたこと
- 体力的にしんどい
- 衝動買いへの欲求が再燃
疲れからか,あまり何もする気にはなれなかった,ジムに行って論文の修正をしてたら普通に一日が終わってた.
(睡眠はやはり何よりも重要)
6,7日目
6日目は海に出て,7日目は友人と会っていたので,ほぼ強制的にそういう刺激を断つ生活をすることになった.
1週間の総括
結論から言うと,結構よかった.やっぱり惰性でSNSやYouTubeを見て時間を浪費する日々から主体的に自分の時間を選択できたっていうのが一番でかい.
明らかに時間の使い方に多様性が生まれた.
とはいってもそれら(SNSやYouTube)を遮断したデメリットとして情報の感度が低くなったり,遅くなったりってのはあるんだけど,そもそもその情報は本当に必要か?っていう問題はある.
基本的にSNSや動画サイトで得られる情報はエンタメとして消費される.エンタメが少なかった昔であればエンタメをコミュニケーションの手段の一つとして使うことも可能だったが,現代は多様化しすぎてエンタメは既に共通の話題ではなくなった.友人と話すことはエンタメの話じゃなくて共通のコミュニティーの話ばかりだ.
そう考えると,エンタメとしてしか消費できない情報を大量にインプットすることに意義はあるのか.いやない(反語)
あと,1週間ぶりに見たXはすごく刺激的だった.バランスをとっていた感情のやじろべえが片方に一気に傾く感触.以前は慣れてたから気づかなかったけど,久々に見るとパワーをすごい感じた.
これからは控えめにしていこうと思う.